スキゾイドは治療できるのでしょうか?
結論から言えばYESですが、その難易度は高いそうです。理由は2つあります。
- スキゾイドの人はそもそも人付き合いを望んでいないから。
- 精神科医の中でも「スキゾイド」はもっとも治療が困難とされている。
こんにちは、ぬえ@deepspaceout12です。
※簡単な自己紹介を。私はスキゾイド気質のあるアスペルガー/ ADHDです。※スキゾイドに関しては、正式に医師に診断された訳ではありません。通っている心療内科で相談したり、セルフチェックした結果、どうもアスペルガー寄りのスキゾイドっぽいようで。
そんな私が、「スキゾイドを治療する方法」についてお話しします。
目次
スキゾイドの治療は難易度が高い
精神科医のマイケル・H・ ストーンは以下のように述べています。
スキゾイドの治療の可能性について、パーソナリティ障害の中でもっとも難易度が高い。しかし、改善の可能性が0%ではない。複数の治療法を組み合わせることによって、ようやく改善がみられる。
参考文書:「パーソナリティ障害がわかる本/岡田尊司」

冒頭で紹介したように、多くのスキゾイドはそもそも治療を望んでいないからです。
ただ、同時に心の奥では人付き合いを望んでいると言われているのだとか。私もその一人で、治せたらいいなと思っています。
この記事をご覧になったあなたも、その中の一人ではないでしょうか?多くのスキゾイドは、この隠れた本心に気がついていません。
スキゾイドは『生きづらさを補うための適応』
スキゾイドの人は、傷つきやすい自己愛に由来する生きづらさの中で暮らしています。
そもそも人間は、どんな環境にあっても、死ぬ瞬間まで生き抜くように作られています。
生きようとする生命力・抱えている生きづらさは、互いにせめぎ合い、その結果、その人特有の適応パターンを作ります。
つまり、スキゾイドという障害は、『生きづらさを補うための適応戦略』なんです。
定型発達の人がスキゾイドをみた場合、「感情が鈍感な人」と思うかもしれません。
しかし本人はそうではないんです。むしろその逆で、敏感すぎるため、防衛手段として「無感情」になっているのです。
その理由に一番多いのは、『母親から適切な愛情を受け取っていないケース』。そのため、他者からの愛情を一切期待しなくなるのです。
そのためスキゾイドにとっては、治療者が介入するのは心の中を土足で踏み入れるようなものなのです。

具体的な治療法について
治療方法はいくつかあると言われています。具体的にざっとご紹介します。
【その1】対人関係療法(対人間再構成療法)
精神分析医のハリー・スタック・サリヴァンによって作られた治療法です。
これは、治療者が幼い頃、重要だった人物(親・養育者)との関係を再現する方法です。
これは、親子の関係に原因があるとされるスキゾイドの、まさに根っこの部分にスポットを当てます。
実践できる治療家も少数で、そこそこ難易度の高い治療法です。
※治療者との関係性が全く築けないこともあるでしょう。しかし、スキゾイドの本心では助けを求めている場合があります。逆のケースもあり、良好な関係が築けたとしても、それは嫌われたくないための対応かもしれません。

【その2】支持的精神療法
課題に即して一緒に考え、励ましや支持を与えるなどして、治療者を支えていくという方法です。
治療の特徴は、本人が持ち込んだ何かしらの問題を、一緒に考えることで、具体的な問題処理を通して、徐々に課題に対処する時の偏りを自覚させていくことにあります。
双方足並みを揃え治療していくので、治療者を傷つけにくく、症状が悪化することも少ないと言われています。
※とある研究に寄れば、支持的精神治療法は精神分析に劣らない、人格的な進歩をもたらし得るとされているとか。
【その3】認知行動療法
間違った新年に基づく自動思考、否定的思考を、問題が起こるたびにチェック→根拠などを問い直し修正を図っていく方法です。
※こちらは患者のセルフチェックを重要視しており、自らが行う宿題を与え、記録させます。
【その4】薬物療法
気分安定化薬、抗不安薬、など症状に応じて処方する方法です。
※メリットとしては、効果が早く現れるこことで、その結果行動化もコントロールしやすくなり、より治療がスムーズになります。(複数の治療法を用いる場合には薬物も使う)
※岡田尊司の「パーソナリティ障害がわかる本 」を参考にしています。
医療機関をどう探すか?
スキゾイド(パーソナリティ障害)の専門外来や専門病棟は、国内にはほぼないと言われています。
どうやら精神科、神経科などで、それぞれの医師が抱える範囲で関わっている、というのが現状のようで。
ただ、通常の医師では、表面に出ている症状にたいしてだけ対処しようとします。
そういう意味では、扱い慣れた専門家に診てもらうのもいいでしょう。(通い慣れた病院で相談してみるなど)
※思春期・青年期のケースでいえば、『思春期・青年期』の専門外来を開設している医療機関が増えてきているので、そちらで診断してもらってもいいですね。
また成人に関しても、保健所や精神衛生相談窓口で、利用できる医療機関についてアドバイスももらえます。分からない方は、こちらに頼るのもいいでしょう。
終わりに
スキゾイドは治療することが可能です。ただその難易度は高いというのが現状です。

※余談ですが、私の場合は、ADHD /アスペの治療を担当してくださっていた精神科医の方に、スキゾイドについて相談しました。何年もお付き合いがありますし、相談もしやすかったです。
通院している病院などで、お付き合いのある医師に聞いてみてもいいかもしれません。
スキゾイドの適職について

自分の特性を否定したり、無理に努力して改善するよりも、長所を生かした働き方をするという友人。こういう生き方もあります。そんな記事を書いています、良ければ参考にどうぞ。











