
こんにちは、ASD、ADHD併発のぬえ@deepspaceout12です。
私は小さい頃から、指示をうまく理解できませんでした。1を聞いて10を知ることができなかったんです。
あまりの理解の出来なさに、「なんでこんなことも理解できないんだ!」と怒鳴られたことも何度もあります。自分でも「どうしてこんなに指示が理解できないの?」と、原因も対策も分かりませんでした。
自分が「発達障害」と知ったのは、社会人になってからです。
そこから少しずつ自己理解を深め、対策方法もいくつか見つけ出す事ができました。
この記事では、指示をうまく理解できない人たちについてと、その対策方法について書いていきます。

以下でご紹介する対策は結果の個人差があるかもしれませんので、参考の一つ程度にご覧くださいね。
この記事がおすすめな人
- 会話が苦手な人。相手の言葉をうまく理解できない人
- 仕事での指示を勘違いして、相手に迷惑をかけてしまう人


目次
指示が理解できない!その原因と対策方法について

私の場合、「指示が理解できない」理由は以下でした。
- 口頭での指示が苦手
- どのように行えば(指示を)良いか分からない
- 勝手に間違った解釈してしまう
- 指示を忘れてしまう

【指示が理解できない原因1】口頭での指示が苦手

- 耳からの情報処理が難しい(ASDの特性
→そのため、聞き間違えたり説明の途中で指示の意味が分からなくなってしまう
- そもそも音声という抽象的な指示は理解できない
- 複数の情報が一気に入ると混乱する
→周りの環境音、視覚的な刺激など、指示と関係のないもので頭がパンクする
特に私はASD気質なので、音声の読解力が乏しいです。
【指示が理解できない原因2】どのように(指示を)行えば良いか分からない

とても困った特性ですよね。
※定型発達の方はこの「曖昧な指示」が問題なく理解できるようで、私はそれが本当に謎で不思議で同時に悔しかったです。
例えば指示に以下のような言葉が入ってると戸惑いませんか?
- だいたい
- 少々
- やや
- 多少
- 適当
- ちゃんと
- しっかり
同じ悩みに苦しんでいる人は口を揃えて言うはず、「(だいたい)とはどれくらいなの!?」と。
※私たちは抽象的な言葉が理解できません。いや、「理解するのが難しい」と言いましょう(悔しいから
【指示が理解できない原因3】指示を間違って解釈してしまう

無事撮影が終わり、上司から「それ片付けといて」と指示されました。
※しかし何を思ったのか!私は皿に盛られた料理を全て食し、皿を『空の状態』にしたのです。(これが私なりの「片付ける」だった
だけど本人は「真剣」でした。至って真面目に対応しているのです。

たとえば「片付けといて」には
- 皿を戸棚にしまう
- 皿にのっている料理を処分し皿を洗う
- とりあえずテーブルから皿をどこかへ移動しておく
のようにいくつもの意味に取れませんか?
※普通の人であれば、容易に理解できるのでしょうが、私にはそれが難しいのです。上記のようににいくつも意味のある言葉が出てくると、相手の言葉を理解することが非常に困難になるんですよ。
曖昧な仕事の指示を理解できない!→具体的な対策方法


→(対策その1)テキストベースでの指示にしてもらう
これが最も手軽な方法です。
私はこれまで、電話での指示や口頭での指示の理解できなさに絶望感を覚えていました。
テキストベースの指示は、以下のようなメリットがあります。
- 指示内容と自己の理解のズレを確認できる
- 安心して忘れられる(あとで見返せば良い
→これ結構重要。発達障害はワーキングメモリが小さく、たくさんの情報を頭にストックできません。→新しく入った情報で古いものがすぐ上書きされてしまう

- 口頭での指示をなるべく減らしてもらう
- 紙に指示内容を書き、「こういうことですね?」と確認する
- メールで指示をもらう
これは発達障害でなくとも、職場のコミュニケーションにおいて最も大切なポイントですね。
自分の不得意なことをぶしつけに相手に押し付けてはダメですし、かと言って伝えておかないと双方が困ります。
※私の場合は、理解のある上司だったので問題なかったですが、中には恵まれた環境ではない人もいるかと…

→(対策その2) 質問して「曖昧」な部分を具体化する
口頭での指示は理解できないけど、逆にとても具体的な指示だとすんなり理解できたりしませんか?
私のような発達障害の人は、曖昧な指示を理解できません。特に主語・述語・目的語が省略された指示はわからないんです。
※私が実際にやっている対策は、分からないことがあれば「質問」することです。とてもシンプルですね。面倒なやつだな、と思われても仕方がないです。
こればかりは「自分は曖昧な指示を理解できない人」と割り切ってください。(その方が生きやすいと思います
※繰り返しですが、質問して曖昧な部分を明確化してください。

→(対策方法その3) 曖昧な指示しかできない上司を疑う

この問題って、結局「曖昧な指示を理解できない私たちがわるい」となりがちです。
それなら、「曖昧な表現でしか指示できない上司は、その仕事の具体性を掴んでいないから曖昧になるのでは?」と心の中で疑ってみるのです。

こういうのは、自分のメンタルを保つために必要だと思ってます。
→(対策方法その4) 環境に配慮してみる
たとえば「何だか話の内容が理解できない」と感じたならば、「実は反対に聞こえすぎている?」と疑ってみるのです。
普通の人だとざわざわした街中や会場などでも会話している相手の声に耳を傾けることは容易ですが、聴覚の反応が強すぎるタイプ(聴覚過敏)の人の場合、会話に集中することが困難です。
ですので、できるだけ余計な情報が入らない環境作りが大切です。例えば以下
- パーティションがある部屋にいく
- 白い壁に囲まれた何もない場所にいく
→(対策その4) ボイスレコーダーを使用する

どうしても口頭での指示や、電話での指示を避けられないシーンもあるでしょう。
そこで私が実際にやっている対策が、レコーダーを使うこと。
大事な商談や会議などでICレコーダーを使って会話を録音し、後日理解不足がないか確認できる保険を用意するのです。

商談や会議などで声を狙い録りできるフォーカス録音が便利です。雑音がまったくはいりません。比較的大きい会議室でも全ての人の会話を聞き取れるくらい性能がいいので驚きです。
後日確認するときに便利な再生速度の調節などができる「書き起こし用再生」も使ってみると分かりますが便利です。(通常のスピードだと早くて理解できない時がありますからね
確かに後日聞き直して理解を深める作業は面倒だと思うかもしれません。しかし理解不足により後に大きな失敗をするよりもよっぽど効率的です。
最後に : 合理的な配慮を求めるのは、恥ずかしいことではない

※そもそもな話、仕事の指示に「曖昧」があってはいけないと私は思うわけです。物事は明確に伝えた方がみんなが生きやすいはず。
理解できないことは「恥ずかしいこと」ではありません。
そして、相手に「考慮して」と丸投げするのではなく、「私はこんな配慮が必要なんです」と具体策を説明することです。
合理的な配慮を相手に求めることで、生きやすい環境になると思います。

- 「指示する時に名前を呼んでもらえると指示を理解しやすいです」
→唐突に指示されると、誰に言っているのか分からない。そもそも聞く姿勢が整っていない
- 「「すぐ」「早めに」など曖昧な言葉は分からないので、「12時過ぎに」など具体的な言葉で言ってもらえると幸いです」
- 「指示はなるべくメールで頂けると助かります」
文章にするととても面倒くさいやつですが、致し方がありません。
これらは甘えた態度じゃないですよ。むしろ、業務をスムーズに行うための合理的な配慮ははず。何も恥ずべきことはないです。
ただ、質問したり配慮を求めた際に「具体的に説明しなくても察せよ」という態度の人間がいると思いますが、こういうタイプはなかなか分かり合えないです(あくまで私の経験談
※だけど、「分からない」ことを分からない側だけの問題にするのはとても甘えた態度ではないのかな?と考えるのはあくまで持論。
理解しづらい側の方の意見、大変参考になりました。
母が、指示語を必ず聞き返してくる(内容を言わないとわからない)、人に物事を伝える時に異常に細かくて具体的すぎる、などがあり本当に理解できませんでした。
指示語をきいた時にどういう状態になるか少しわかったし、
異常に細かいのも、自分がそうでないと理解できないから他の人もそうだと感じて具体的に具体的に伝えているのだろうとわかりました。
僕も反省すべき点が見つかりました。
この記事にとても感謝します