まずは簡単な自己紹介。私は普段デザイナーをしています。フリーランスのためとにかく『時間』が命です。納期が守れなかったり、打ち合わせに遅刻なんてしようものなら、信頼を地の底に落としてしまいますからね。
しかも私は発達障害(ADHD,ASD)なので、『時間管理』がとにかく苦手なんです。なので日頃から時間を強く意識して管理しているんですよ。
そこで今回は、時間管理が苦手な私に効果があった『時間管理方法』を厳選して3つご紹介しようと思います。
※『時間管理できるようになりたい!』と考えている方には参考になるのではないかと思います。
目次
- 私達が時間管理が苦手な理由について
- 一般向けの『時間管理術』は、私たちに合わないことがほとんど
- 【時間管理術①】ポモドーロ・テクニック
- 【実践方法】ポモドーロ・テクニックを試そう
- 【その他】ポモドーロ・テクニックを実践する上でのおすすめアイテム
- 【活用例①】『ポモドーロ・テクニック』と合わせて使用する
- 【活用例②】没頭しそうな作業に使用する
- 【その他】おすすめのタイムタイマー
- 【無料アプリ】時間をユニークに可視化する『ねずみタイマー』
- 【時間管理術③】バーチカルタイプのスケジュール帳
- 【その他】おすすめのバーチカル手帳
- 【時間管理のコツ①】たくさん失敗しよう。大事なのは小さく始めてエラーを出すこと
- 【時間管理のコツ②】自分の力ではなくツールやモノを頼る
- 【時間管理のコツ③】自責しても大丈夫。あなたはえらい。
私達は時間に対する苦手意識を完全に克服はできない
私達は『時間に対する苦手意識を克服することはできません』。なぜならADHDは先天的なものなので完治することはないとされているからです。
でも落胆しないでくださいね。生活に支障が出ない程度に症状を緩和させることは可能ですから。
自分を制御しようとすることは、ライオンに手綱をかけるようなものです。するとどうなると思いますか?一時はうまく制御できても、おそらく暴れてどうしようもなくなるのがほとんどだと思います。
要するに、自分を制御してやろう!なんて思わないことです。ライオンを慣れさせるためには、ゆっくり時間をかけ誘導しなければなりませんよね。自分も同じです。ゆっくりと、自分のペースで誘導してあげる気持ちが大事です。
私達が時間管理が苦手な理由について
大人のADHDの中で『時間管理が苦手!』という悩みを持っている人がなぜ多いのでしょう?
この原因は脳の構造といわれています。これがどういうメカニズムなのかは現時点ではっきりしていません。脳のつくり、体調、気分、環境など、複合的な理由であるからです。
ハッキリ言えるのは、私達は『時間を実感・体感的に理解することが苦手』だということですね。
一般向けの『時間管理術』は、私たちに合わないことがほとんど
世の中には時間術が溢れていますよね。その中のいくつかを試したことはあるのではないでしょうか?
一般の方とは脳の構造が違うので、一般向けに書かれた書籍にある『時間管理術』は合わないものがあったりします。
そういうときに、私達は「私は何をやってもだめなんだ」と自己肯定感をごりごり削られがちです。
だからハードルをぐぐっと下げることがとーーーっても重要なんです。
ズボラな人にも効果がある時間管理術まとめ(ADHD対応)
さて本編です。
ハードルをグッとさげた時間管理術です。慣れてきたらアレンジして
バージョンアップさせてください。その方法も解説しますね。
これから時間管理術を紹介しますが、ただ紹介するのではなく、以下のことも交えながらご紹介します。
①ズボラ流アレンジ
②時間管理の活用方法
【時間管理術①】ポモドーロ・テクニック
短時間の作業と休憩を繰り返すシンプルな時間管理術ながら、しっかり実践するとメキメキ集中力が上がり、生産性の向上も期待できますよ。とってもおすすめな時間管理術です。
【実践方法】ポモドーロ・テクニックを試そう
ポモドーロ・テクニックは、以下のような作業を繰り返します。
25分の作業+5分の休憩
これを『1ポロモード』として、合計4ポモドーロ(2時間)ごとに30分間の長めの休憩を取ります。これを一日何セットか繰り返していくのです。
重要なルールとしては、ポモドーロ中決められたタスク以外の作業を一切行ってはいけません。またタスクに取り掛かる前に「作業が何ポロモードで終了するか?」を予測して先に記入するのがポイントです。
【ズボラ流アレンジ】『ポロモード数』を予測し、どんどん間違えよう
おそらく最初のうちは『自分が1ポロモードでどれだけの作業ができるか』が分かりません。私の場合は以下のようにだいぶ外れた見積りをしていました。
【予測】「バナーデザイン完成させる」 予測5ポロモードで完了
【現実】「バナーデザイン完成させる」 12ポロモードで完了
見積もりと実際の作業時間に大きな差があることが分かりますよね。この「予測と実際の時間のズレ」を認識していくのが目的です。つまりは、エラーを沢山だすこと自体が時間認識力を養うためのトレーニングと割り切るのです。
予測を当ててやろうと思うと、外れすぎてメンタルがズタボロになるのでおすすめしません。そんなことをせずとも、ある程度経験を積むと予測がピッタリあってくると思います。
【その他】ポモドーロ・テクニックを実践する上でのおすすめアイテム
ネット上には『ポモドーロ・テクニック』の方法がゴロゴロ転がっていますが、「一からしっかり勉強したい!」という方は、ポモドーロ・テクニックの開発者による以下の書籍もおすすめです。
若干説明書的な内容ですが、基本的な事は全て学べるのでこの一冊で十分です。また、チームとしてポモドーロを実践する方法や、文脈の説明、熟達の方法などかなり興味深い内容もあるので、興味がある方は是非読んでみることをおすすめしますよ。
使用するタイマーも以下のようなトマト型のものが使われることが多いですが、これだと残り時間を体感的に理解することが難しいですよ。なので、個人的には後ほどご紹介する【タイムタイマー】がおすすめです。
【時間管理術②】タイムタイマー
残り時間を赤色で可視化してくれる時計です。視覚的に『あとどれくらい時間が残っているのか?』が分かりやすく便利です。
①時間の先の見通しがしづらい
②集中すると時間を忘れて没頭してしまう
③一度作業を始めるとやめることができない
【活用例①】『ポモドーロ・テクニック』と合わせて使用する
前述した『ポモドーロ・テクニック』を使う際に組み合わせて使用すると効果的です。目に見える範囲に置いておけば、残り時間がリアルタイムで視認できるので、「時間が減っていく感覚」を体感的に身につけることができますよ。
【活用例②】没頭しそうな作業に使用する
そんな人は、タイムタイマーを使って分刻みで作業を管理するのがおすすめです。
掃除は30分 書類整理は40分 など
決まった時間がくると「ピピピ」とアラームでお知らせしてくれるので、「お、30分経ったな」とわかるようになります。学校のチャイムに近い感覚ですね。
【ズボラ流アレンジ①】趣味の時間には使わない
趣味の時間にタイムタイマーを使うのはおすすめしません。プライベートの領域にも「時間管理」が入ってしまうと、ストレスが蓄積していきます。
【その他】おすすめのタイムタイマー
こういうのもあります。時計と連動しているのでより時間を認識しやすいです。
【無料アプリ】時間をユニークに可視化する『ねずみタイマー』
個人的にアプリはおすすめしません。特にADHD傾向の人は注意散漫なので、新着のメールやSNSの通知に意識が持っていかれてしまうからです。
ただ、「時間を楽しくイメージする」という点では『ねずみタイマー』はおススメできるかなと思います。このアプリは、食いしん坊のねずみがリンゴをかじっていく表現で、時間の長さを表しているのですが、見た目がユニークで動きが可愛いく見ていて飽きません。
【時間管理術③】バーチカルタイプのスケジュール帳
バーチカル手帳のメリットは以下の2つです。
・あき時間が一目瞭然になる
・視覚で一日のスケジュールを管理できる
1時間/30分ごとに目盛りが書いてあるので、時間の長さがパっと見分かるのが良いですよ。時系列でタスク管理をするのも便利です。
1日の中で複数の予定が入ってしまうと、『何から手を付けていいか分からない!』とパニックになったりしませんか?こういうタイプの方には強くおすすめできます。
※「この時間枠にやろうとしているタスクが入るかな?」とパズルを組み立てるように、時間管理を実践することで、時間感覚を養う訓練になりますよ。
【ズボラ流アレンジ①】余裕をたっぷり持たせよう
とはいえ、最初は所要時間の見積がはずれがちだと思います。なので余裕をたっぷりと持たせてあげましょう。一日の内でいかなる無謀な時間計画を立てたとしても大丈夫です。後日そのページを見返して、「ああ、私の予測は大きく外れているなあ」と認識するのが大事ですよ。
【その他】おすすめのバーチカル手帳
手帳はデザインの好みがあるとおもうので、おすすめは一概に言えませんが、個人的に良い商品と思ったものをご紹介しますね。それが『ジブン手帳』です。
週間バーチカル手帳の火付け役となったと言われている元祖です。情報が整理されるよくできたフォーマットなので、書いていて気持ちが良いです。紙質が良いのも好印象ですね。
時間管理術を実践する上での心得について
【時間管理のコツ①】たくさん失敗しよう。大事なのは小さく始めてエラーを出すこと
トライ&エラーを繰り返す前提で、はじめから完璧を求めすぎないのが特に大事です。たくさんエラーを出して、自分の問題点を洗いざらい出してみましょう。
【時間管理のコツ②】自分の力ではなくツールやモノを頼る
自分を過信せずモノやツールに頼ってください。なぜなら自分を変えるより自分以外のものを変える方が最も簡単だからです。
自分を変えるというのはものすごいエネルギーを使いますし、努力も必要です。時間もかかるでしょう。
それ以外にもっと手軽な方法があります。「自分を変える」のではなく「やり方を変える」んです。そして、「やり方を変える」には「道具を変える」「環境を変える」と様々な方法がありますが、道具を変えるのが最も手軽で簡単な方法です。
【時間管理のコツ③】自責しても大丈夫。あなたはえらい。
色々な時間管理を試してみても、どうもうまくいかない自分に対して「なんでうまくいかないんだろう」と責めるような気持ちが常にありませんか?
私もそんな時期に、とある書籍に「自責は大いなる無駄」と書かれているのを読んだんですが、ひどく落胆しました。こういう「根性論」的な考え方は私にはどうも合いません。
おそらくこの記事を読んでいる方の中にも、「なんで私はこんなにもだめなんだろう」と「自責の感情」が強い人がおおいのではないでしょうか。私もその例にもれず強いほうです。
それよりも、「自分はよく頑張ってるなあ」と褒めてあげたほうが、嬉しいし楽しいです。
まとめ
記事内でご紹介した時間管理術を、みなさんも是非実践してみてくださいね!