2018年もそろそろ終わりますね。
さて、先日このようなツイートをしたんです。
ADHDである私は、好奇心と完璧主義のせいで、同じゲームを何時間もプレイせず、だいたい1ヶ月で飽き、新しい作品を手にとる。なので、必然的に「短期間でクリアできる&コスパが良く満足度が高いゲーム」を好むように。同じような人へ向けた、おすすめ作品をまとめた記事は需要ありそうかな?
— ぬえ@ (ASD/ADHD) (@deepspaceout12) December 23, 2018
上記のツイートがそこそこ反響があったので、深堀りしながら、ADHDの人へおすすめできるゲームを考えてみました。
ADHDには、長期間プレイが必要なゲームは向いていない
続けて、このようなアンケートを取りました。
すみません、ちょっと情報収集です。ADHD当事者で、ゲームをする人に質問。『あなたがゲームに求めるものはなんですか?』
— ぬえ@ (ASD/ADHD) (@deepspaceout12) December 24, 2018
ADHDの方へ向けて、「ゲームに求めるものは?」というアンケートを取ったところ、多かったのは「興味本位」でした。その理由として、「考える時間を減らすため」が一番多く、また一部には「二次障害治療を目的」としている方も…。
私事ですが、ゲーム好きの私は、一年で100タイトル以上の作品をプレイします。
※2018年は、PCは98作品、PS4は32作品、Xbox One2作品、モバイル46作品、合わせて146作品をプレイしました。(ほとんどクリア済み)
なので、必然的に「短期間でクリアできる&コスパが良く満足度が高いゲーム」を好むようになるわけですね。
そこで今回は、「短期間でクリア可能」「短期プレイでも満足度が高い」という2つの特徴を持つゲームを厳選し、ズラっとまとめてみました。
目次
- ADHDには、長期間プレイが必要なゲームは向いていない
- ADHDにおすすめゲーム :『The Witness』
- ADHDにおすすめゲーム :『Florence』
- ADHDにおすすめゲーム :『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』
- ADHDにおすすめゲーム :『ABZÛ』
- ADHDにおすすめゲーム :『Thumper』
- ADHDにおすすめゲーム :『Firewatch』
- ADHDにおすすめゲーム :『Hotline Miami』
- ADHDにおすすめゲーム :『Downwell』
- ADHDにおすすめゲーム :『Stardew Valley』
- ADHDにおすすめゲーム :『Momodora : Reverie Under The Moonlight』
- ADHDにおすすめゲーム :『Forza Horizon 4』
- 終わりに
ADHDにおすすめゲーム :『The Witness』
リリース日 2018年2月14日 / 開発 Jonathan Blow / 機種 PS4、Xbox One、モバイル、PC
旅をするように、 パズルを解く。
『The Witness』は、一人称視点のパズルアクションゲームです。
一筆書きのように、始点から終点までの正しい道筋を描くことで、パズルを解いていくのですが、計700以上ものパズルの根底には、このようなシンプルで、直感的なコンセプトがあります。
「恋は盲目」という言葉があるように、本作への愛が強い反面、筋違いの紹介をしてしまいそうでヒヤヒヤします。とにかく、私の中で本作のゲームプレイは、オンリーワンの体験でした。
基本的には、パズルをどんどんといていくゲームなのですが、「本作の良さ」は、別のところにあると思っています。
ゲームプレイの後半に待っているのは、「何もない部屋で、孤独にひたすら数式を解いているかのような背筋が凍る体験」で、ドキッとするようなメタな展開があなたを待っています。
※根気強く、コツコツパズルを解く勇気がある人は、ぜひやってみてくださいね。
ADHDにおすすめゲーム :『Florence』
リリース日 2018年2月14日 / 開発元 Mountains / 機種 モバイル
ゲームプレイは、言葉のように。
Florenceは一言で言えば、恋がテーマのコミックの手法を使用したインララクティブゲームです。
説明的なテキストが一切なく、できるだけ最小限の演出とゲームプレイで、人間の心理の核心に迫ろうとしている意欲作です。
スマートフォンを問題なく扱える人なら、まったく問題なく進められます。30分程度で終わるし、値段も360円と超手頃です。
とにかく、できるだけたくさんの人にプレイしてほしいです。言葉を選ばずに言ってしまえば、「私は『Florence』に共感できない人とは分かり合えない」、とさえ思えます。
ADHDにおすすめゲーム :『VA-11 Hall-A: Cyberpunk Bartender Action』
リリース日 2018年6月21日 / 開発元 Sukeban Games / 機種 : PS4、PSVita、Nintendo Switch、PC
エモーショナルなバーカウンタードラマ。
本作は、お客さんにカクテルを提供し会話を楽しむ、ビジュアルノベルゲームです。
舞台となるのは、腐敗した政府と大企業を牛耳る、未来の都市グリッチシティ。
タイトルの「Va-11 Hall-A」は、通称ヴァルハラと呼ばれるバーの名前で、疲弊した人々の溜まり場となっています。
操作はシンプルで、会話を読み進めることと、カクテル作りがメインになります。
ミックス、熟成、ブレンドなどを選択しながら、会話を汲み取り、お客さんに合いそうなカクテルを作り上げなければいけません。
ストーリーを楽しむというよりも、お客さんとの会話を楽しむ作品ですね。「一話完結のドラマを観ているような感覚」、と言えば伝わるでしょうか。
『VA-11 Hall-A』は海外の作品ですが、日本のサブカルに大きく影響を受けているのが特徴です。
サイバーパンクという異文化の世界にも、どこか懐かしさを感じるのは、Japanカルチャーが大きく関わっているからですね。
ADHDにおすすめゲーム :『ABZÛ』
リリース日 2016年8月2日 / 開発元 Giant Squid / 機種 PS4、 Xbox One、Nintendo Switch、PC
美しい水中世界で、魚たちとダンスする。
本作は、美しい水中世界を自由自在に探検できるダイビングアドベンチャーゲームです。ダイバーになりきって魚たちとたわむれたりすることができます。
美しく彩り豊かな色彩と、海の生命たちの息吹が、本作の魅力を形作っていて、何も考えずただ意識を埋没させるだけでも魅力が伝わると思います。
「人生に疲れた人に勧めたい作品」なら、迷わず本作を選出します。
一つ細くしておくと、本作は徹底された深海のリアルを表現した作品ではなく、あくまでフィクションであり、海の生態系システムを再構築し直した、新しい深海の世界です。
※画像ではなかなか伝わらないのが悲しいところ。自分と比べ何十倍も大きいクジラと出会うシーンなんかは、鳥肌が立つくらい感動しました。
ADHDにおすすめゲーム :『Thumper』
リリース日 2016年10月10日 / 開発元 Drool / 機種 PS4、 Xbox One、 Nintendo Switch、モバイル、PC
エッジの効いたリズムアクションと、ホラー要素が絡み合う
本作は、リズムアクションに、スピードと物理性を加えた、リズムバイオレンスアクションゲームです。
あなたはコースを高速で駆け巡るビートルとなり、悪夢のような虚空を駆け抜けなければいけません。
基本的には、音楽に合わせてボタンを押す「リズムアクション」ですが、そこに奇怪で悪夢的な要素が加わったのが本作です。
※表面上のビジュアルだけでは、特に女性にとって「受け付けない感MAX」ですが、これが触ってみると楽しいんですよ。
シンプルな操作性で、リズムに乗りながら、トリックを繰り出し、アドレナリン全開でコースを駆け抜ける爽快感は、とてもクセになりますね。
※虚無的な世界や敵の造形は、恐ろしくも魅惑的で、心臓にまで響きそうな重低音と、ノイズが本当に気持ちが良いです。
ADHDにおすすめゲーム :『Firewatch』
リリース日 2016年2月9日 / 開発元 Campo Santo / Nintendo Switch、 PS4、 Xbox One、PC
知らない場所へ、短期旅行に出かけるような。
慌ただしい現代から、逃げるように森林火災監視員の求人に応募したヘンリーは、山の上の監視塔から火事の元となる煙を見張るという、地味な業務に勤しむことになります。
確かに見た目は地味ですが、小説を読んでいるようなミステリーアドベンチャーで、ある程度齢を重ねた方にとっては、味のあるゲームだと思いますよ。
※語り出すと止まらないのでこのへんにしますが、2018年プレイした作品の中で、「心に残った」という点においては、堂々の上位に入ります。
ADHDにおすすめゲーム :『Hotline Miami』
リリース日 2012年10月24日 / Dennaton Games / 機種 PS4、 PC
爽快感と残虐性が織りなす美。
本作は、ステージクリア型の見下ろし2Dバイオレンスアクションゲームです。
相手も自分も即死で、もしミスをしても即座にやり直し可能なテンポの良いゲームです。気軽に初めて、いつでもやめられる手軽さがあります。
ギラギラしたネオンや、めまいがするほどのノイズと、飛び散る血飛沫、ノリノリな音楽などが、プレイヤーを気持ちの良いグルーヴに浸らせてくれますよ。
本作の特徴は、主人公の素性も、目的も、一切が謎のままゲームが進行していく点で、ただ淡々と殺戮を繰り返していく事になるのですが…。後に、それはプレイヤー自身の行為とも重なっていきー。
クリア後の感想としては、達成感の余韻ではなく、むしろ銃口を頭に突きつけられたような感覚でした。とにかく万人には勧められないですね。
※このバタ臭いビジュアルに興味をそそられた方は、手を出してみる価値があるかと。
ADHDにおすすめゲーム :『Downwell』
リリース日 2015年10月15日 / 開発元 Moppin / 機種 PS4、モバイル、PSVita、 Nintendo Switch、 PC
落下する爽快感。
本作は、果てしない深い谷底を延々に下っていく2Dジャンプアクションシューティングゲームです。
靴の底に仕掛けられたガンブーツを駆使し、真下の敵に向かって撃ったり踏みつけたりしながら、変化の激しいステージをクリアしていくことになります。
白黒に赤が加えられた3色だけで構成される画面は、一見クラシカルですが、プレイしてみると、「こうじゃなきゃ」という感覚になります。
本作の何よりのポイントは、ガンブーツにあると思っていて、他のゲームにはない差別要素になっていることに加え、敵を攻撃するだけでなく、反動を利用して移動したりできます。
操作していて面白いし、UIを妨げたいデザインも高ポイントです。
※本作は、もともとモバイル向けにデザインされたものなので、プレイするなら是非モバイルでの利用をおすすめします。
ADHDにおすすめゲーム :『Stardew Valley』
リリース日 2016年2月26日 / 開発元 Sickhead Games / 機種 Nintendo Switch、 PS4、 モバイル
『Stardew Valley』はわたしの人生だ。
『牧場物語』シリーズを敬愛する個人開発者が、4年の歳月を費やし作り上げたのが本作です。
プレイヤーは、畑を耕し種をまき、毎日朝に水やりをしたりと、実際の農業さながらの作業をこなさなければいけません。
時間をかけて育てた作物が徐々に大きくなっていくのを眺めながら、時折街に出かけ人との交流を楽しんだり、お買い物をしたり、海に釣りに出かけたりもできます。
やることなすこと「時間」のかかるゲームですが、パパっと終わらせてしまうゲームにはない喜びがあります。
また、農作業だけでなく、畜産、漁業、果樹、採掘、戦闘など、多方面への生産活動を展開することも可能。
飽き性のADHDである私は、農業を途中でやめ採掘に行き、買い物に行き、釣りに行くという、まとまりのない行動ばかりしてます。
でもそれでもいいんですよ、本作なら。なんせ「豊かに生きる」が、『Stardew Valley』のコンセプトですからね。
※私も、相当長い期間プレイしているゲームで、つい時間を忘れて没頭してしまう沼のような作品です。
ADHDにおすすめゲーム :『Momodora : Reverie Under The Moonlight』
リリース日 2016年3月4日 / 開発元 Bombservice / 機種 PS4、XBOX One、PC、Nintendo Switch
ベリーキュートなアニメーション。
本作は、2Dタイプの探索型アクションゲームです。一応『Momodora』シリーズの4作目に当たる作品ですが、本作からでもまったく問題ないです。
ストーリーはあってないようなものです。目玉はアクションとアニメーションですね。主人公の滑らかな動きと、敵の可愛らしいモーションに、心を掴まれます。
セーブもこまめにできるし、気分と時間に合わせてプレイできるのがなおよしです。
ADHDにおすすめゲーム :『Forza Horizon 4』
リリース日 2018年10月2日 / 開発元 Playground Games / 機種 PC、Xbox one
走る快感。
本作は、一般的なレースゲームでありながら、「走る快感」を追求した作品でもあります。とにかく、「車を走らせる」だけで楽しい。そう感じさせてくれるゲームです。
オープンワールドの世界に加え、天候の変化、さらには四季の変化まであり、景観を眺めながら、気軽にドライブしたり、ドローン飛ばして写真を撮ったり、レースに参加したり、車をカスタマイズしたり…。
※車好きな人以外の人でも、誰もが楽しめるレースゲームの金字塔ではないかと思います。
終わりに
今回「ゲームに求めるものはなんですか?」といった、抽象的な質問をしました。私の場合は「好きだから」であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
何かと「意味」や「意義」を問われるのが現代で、ゲームにおいてもその例にもれません。「ゲームなんて時間の無駄だ!」「意味があるのか!』とか未だに言われますが、そんなことは二の次でいいと思うんですよね。
ゲームは、娯楽であって、もっと豊かに生きるためとか、時間をクリエイティブに使うために存在してると思ってます。
※わざわざお金を払って買って、自分の時間を浪費してまで、ゲームをプレイする。だから楽しもうとするし、その分感動するんです。それがいいんじゃないかなあ、と思います。