こんにちは、ぬえ@deepspaceout12です。
スキゾイドを治療する上で大事なポイントは、自己理解を深めることだと言われています。
その理由として、スキゾイド含め、パーソナリティ障害の人のほとんどが、社会生活での生きづらさを自身の特性が原因だと思っていないからです。なので、どんな治療法を試すにせよ、まずは自らの偏りを理解するのがとても大事だと言えるわけですね。
そこで今回は、今回はスキゾイドをもっと理解する為に、パーソナリティ障害について理解を深めてみましょう。
なぜスキゾイドじゃなくて、パーソナリティ障害の理解を深めるの?と思うかもですが、実はパーソナリティ障害の理解を深めることは、スキゾイドを本質的に理解することにも繋がります(これに関しては次の章で説明しています
※「まず自分がスキゾイドか知りたい」または「スキゾイドとは何か知りたい」という方は、こちらをチェックしてみて下さいね『スキゾイド・シゾイドとは?その特徴と原因について調査してみた』
目次
パーソナリティ障害の本質的に理解し、スキゾイドを治療する
パーソナリティ障害は多くのタイプがあり、そのひとつがスキゾイドパーソナリティ障害です。他にも10ものタイプがあります(DSM-IVより)。
今回の記事では、スキゾイドのさらなる知見を深めるため、パーソナリティ障害の根本的な共通点から紐解いていきます。
※パーソナリティ障害について知ることは、スキゾイドを本質的に理解することにも役立ちますし、健全なスキゾイドと不健全なスキゾイドを見極める判断材料にもなるでしょう。
【その1】パーソナリティ障害の分類について知る
『パーソナリティ障害』とは、一言で言えば著しく偏った性格のため、周囲に迷惑をかけてしまう状態のことを指します。
その偏り方はさまざまで、大きく10のタイプ存在します。その特徴別にA群、B群、C群と分類されています。それが以下
妄想性パーソナリティ障害 A群 奇妙で風変わり
統合失調質パーソナリティ障害(←スキゾイドはこれ!)
総合失調型パーソナリティ障害
B群 演技的・感情的で移り気
境界性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害
C群 不安で内向的パーソナリティ障害
依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害
回避性パーソナリティ障害
※reference : 米国精神医学会の診断基準 DSM-5の表記に準じています
精神医学の分野では、スキゾイドパーソナリティ障害は、治療することが可能な「障害」として捉えられており、また誰しもが抱える問題として考えられています。
※これはただの『考え方』ではなく、実際の治療統計に基づく医学的な事実です。
実際のところ、スキゾイドは、もともとの性格というよりも、何らかの挫折や躓きによって様子が変わってしまったり、性格や行動の問題が極端に出てしまったと言う事例が多いそうです。
reference : 『パーソナリティ障害がわかる本 障害を個性に変えるために / 岡田尊司』
【その2】パーソナリティ障害はいかにして障害となるか
これは、『性格』と『気質』が統合されたものと考えるのが、精神医学では一般的です。それぞれの簡単な意味は以下
- 性格→パーソナリティの心理社会的な側面を指す
- 気質→遺伝的、器質的側面を指す
アメリカのロバート・クロニンジャーは、パーソナリティ障害は、『気質』の部分ではなく、『性格』の部分が貧弱であることが大きな原因だ、と公言しました。
※つまり、パーソナリティ障害を形成するのは、『性格』(心理社会的な要因の影響)が大きく関係しているということですね。
【その3】パーソナリティ障害の認知と行動について
以下はパーソナリティ障害に共通する特徴です。これらを把握することは、スキゾイドを理解し、適切な対処をする上で重要なポイントです。
- 両極端な性格で単純化した認識になりやすい
- 自分と他者の区別があいまいで、自分と他人の問題を混同してしまう
- 人と信頼関係を保ちにくい
- プライドと劣等感が同居している
※なぜかというと、これらの特徴は発達の段階で言えば、小学校低学年(6〜8歳)の子供ではごく普通のこととされているからです。
1. 両極端な性格で単純化した認識になりやすい
パーソナリティ障害に共通してみられる基本症状のひとつです。白か黒か、YESかNOか、成功か失敗かという中間のない二項対立に陥ってしまいがちなのです。
そのため、楽しくで気分が高揚した日に少しでも嫌なことがあると、途端に最悪な気分になってしまいます。
例えば、とても可愛がっていたペットがある日手を噛んできた場合、あんなに愛情を持って世話していたのに途端に急変し、ペットを心底憎むようになってしまいます。場合によっては、ペットに手にかけて危害を加えようとしてしまうケースもあるとか…。
※このケースも両極端な認知の傾向が関係していることが多いのです。
2. 自分と他者の区別があいまい
自分と相手の感じ方は、それぞれ別物だと頭ではわかっていますが、実際の場面では混ぜて考えてしまいます。
その結果、自分の視点でしか物事を見れないので、自分の期待を周囲に押し付けてしまうことが多くあるのです。
3. 人と信頼関係を保ちにくい
繊細で、些細なことでも傷つきやすい性格であるため、他者を自分を邪魔する不快な存在として認識してしまいます。
極論と思われがちですが、パーソナリティ障害の人は、心から人を信用することが困難です。思い症状の人ほど、この傾向が強くなります。
4. プライドと劣等感が同居している
パーソナリティ障害の人は、自分がとても理想的な人物に見える感覚と、劣悪で無価値な人物に見える感覚の二つに分裂しており、両者が同居しています。
自信のなさや自己否定感を癒すため、さまざまな自己アピールの技を身につけたり、バリアを張って空想を膨らませたりして、どうにか心の平穏を保っています。