ぬえです(@deepspaceout12)
「スキゾイド・シゾイド(統合失調質)パーソナリティ(以下、スキゾイド・シゾイド)」という言葉を最近多く目にする気がします。
スキゾイド・シゾイドの大きな特徴は、対人接触を求めないということ。
また、他にも以下のような特徴があります。
- 人間関係が苦手というか嫌い。
- 友人が極端に少ない&いらない。
- 休日に外出しない。一人が好き。
- 感情表現に乏しい。
これらに該当する場合、あなたはもしかしたら「シゾイド・スキゾイドパーソナリティ障害(以下、スキゾイド)」かもしれません。
私は専門の医師から正式な診断をされたわけではないですが、思ったよりも該当する特徴が多かったので今回調査をしてみました。
というのも、私はASD アスペルガー症候群と診断された身なのですが、調べていく中で「スキゾイドとアスペルガー症候群はとても似ている」という興味深い点を発見したのです。
これは数々の精神科医も公言しているくらいです。
そのことからも「スキゾイド・シゾイド」は私にとって関係のないものではないなと。
そこで今回の記事では
- スキゾイド・シゾイドパーソナリティ障害の特徴、原因
をメインにお話できればと思います。
目次
スキゾイド・シゾイドパーソナリティ障害 : その特徴と原因
スキゾイドの特徴として以下のようなものがあります。
- 他人への関心や関わりの欲求が異常に低い。
- 根っからの孤独好き。
- 感情表現が乏しく、表情が平板になってしまう。
- 周囲からの評判に無頓着。
- 異性に対する関心が乏しい。
「あ、私のことかも」とドキッとしたあなた。
精神障害者の診断と統計マニュアルであるDSMの分析によれば、以下の7項目のうち、4つ以上当てはまる場合、あなたは「スキゾイド」であるとしています。
1. 家族の一員であることを含めて、親密な関係をもちたいと思わない。またはそれを楽しく感じない。
2. ほとんどいつも孤立した行動を選択する。
3. 他人と性体験をもつことに対する興味がもしあったとしても、少ししかない。
4. 喜びを感じられるような活動がもしあったとしても、少ししかない。
5. 第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない。
6. 他人の賞賛や批判に対して無関心に見える。
7. 情緒的な冷たさ、よそよそしさ、または平板な感情。
どうでしたか?私の場合はちょうど4つありました。あくまでも自己判断ですが。
スキゾイド・シゾイドの特徴その1 : 圧倒的な個人主義
スキゾイド・ジゾイドの最大の特徴が「孤独」を好むことです。
これは回避性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害などでもみられるものですが、大きく違うのは
「本当は対人接触を求めているが、何らかの理由で自分の世界に引きこもってしまう」
という点。「何らかの理由」というのは「傷つくのが怖いから」というのが多くを占めるそうです。
対し、スキゾイド・ジゾイドの人は「対人接触よりも孤独な環境」を好みます。
これは精神科医である岡田尊司先生は、スキゾイド・ジゾイドの人を以下のように説明していました。
彼らにとっては、異性さえ、余り必要のないものではないかのようだ。
パーソナリティ障害 / 岡田尊司 P.210 引用
このようなタイプの人は、天性の孤独、あるいは個人主義という形容が当てはまる人が多いとされています。
結婚し配偶者を得たり、友人と関わったりするよりも、自分の世界を守ることの方が優先課題なのです。
出典 : パーソナリティ障害 / 岡田尊司
スキゾイド・シゾイドの特徴その2 : 無関心
スキゾイドの人は、他人からは何事に対しても無頓着で、無感情に見えます。
しかし、実際にはその逆です。敏感すぎるためそう反応しているのです。自分の本当の気持ちを閉ざし、外部からの感情から身を守っているのです。
言葉は悪いかもしれませんが、偽りの感情で人と接するため、人間関係に大きな疲弊を感じてしまいます。
にもかかわらず、社会的な振る舞いは実は問題なくできるのも特徴です。しかし、そこには心は通っていないのです。
私も場合は、誰か初対面の人と話した後は、その場を離れると大きな疲労感と無の感情がどっと出てくる感覚がいつもあるのですが、こうした感覚が強いほどスキゾイドである可能性があります。
スキゾイド・シゾイドの特徴その3 : お願いだからそっとしておいて
スキゾイド・シゾイドの人は、静かで淡々とした生活を好む傾向にあります。
なので贅沢や華美のような行為に走ることを嫌います。
日常生活は基本的に質素。お金があったとしても食事や衣服にお金をかけることはありません。
しかし、外見やアイテムにこだわりませんが、感性や趣味はとても洗練されていると精神科医の岡田先生は語ります。
貧欲さや成金趣味とは正反対な人で、清貧に生きることが多い。
パーソナリティ障害 / 岡田尊司 P.211 引用
「スキゾイドパーソナリティ」は、精神障害というくくりではなく、その人の特性を指します。
これらの特性により、うつ病などを引き起こした場合に「スキゾイドパーソナリティ障害」となり「障害」として認識されます。
世の中には、スキゾイド的な気質の人が多くいるといわれています。特に日本においては未だに横の繋がりを持つことは美徳という考えがあるので、そのような情報に振り回され、頭を悩ませてしまう人が多くいます。
そのような中で生活することは、想像以上のストレスです。人によっては2次障害を引き起こしてしまうのです。
アスペルガー症候群とスキゾイドパーソナリティ障害は似ている
アスペルガー症候群としスキゾイドパーソナリティはとても似ています。
実際に、過去にスキゾイドと診断された人が、アスペルガー症候群でもあったという例は多いようで、スキゾイドの摂食障害は、アスペルガー症候群が背景にあると、精神科医である杉山登志郎さんが述べています。
精神科医の岡野憲一郎さんが、自身のブログでアスペルガー症候群に関してこう語っています。
「もちろん彼らは苦しさを抱え、満たされない愛情欲求を持つことがある。
彼らだって人とわいわい騒いだり、友達や恋人と楽しい時を過ごしたい。しかし人といてどうしようもない壁を感じる。
自分を異質と感じ、それ以上に周囲が自分を異質に感じていると感じる。」
アスペルガーの場合、孤立はしているが、誰かに愛されたい欲求を持っています。スキゾイドの人の場合、そもそもその感情を持っていないのが特徴です。
私は、人との関わりは苦手ですが、持ちたくないわけではないので、スキゾイド気質のあるアスペルガーということになりますね。
岡野先生もそうですが、多くの精神科医が「アスペルガー症候群とスキゾイドは似ている」と公言しているように、決してこの2つは無関係なものではないことが分かっています。
例えばアスペルガー症候群の人が、回避性愛着障害を持った場合、スキゾイドパーソナリティへと発展する可能性も示唆されているくらいです。
終わりに スキゾイド・シゾイドを理解することについて
スキゾイドの人にとっては、社会と関わらない孤独な生き方が幸福と感じていますが、現実社会ではそれが難しくあります。
しかし、自分の特性を理解することは、自分にあった生き方を模索することでもあります。
障害には厳密な定義はありません。正直な話、診断する医師によって結果が変わる精神に関わることは、グレーゾーンですので、キリがないのです。
「私にはこんな障害があるんだ」ということを理解することは、自分の特性を言語化し、自己理解を深めていくことでもあります。
そして、自分に合ったやり方で、自分らしく生きていく。自信を取り戻していく。それが一番大事なのかなと思います。
それでは最後までお読みくださってありがとうございました。
おまけ
私がスキゾイド・シゾイドについて調べる中で、有力な情報が記載してあった良書をこちらでもご紹介しておきます。
スキゾイド・シゾイドについて知見を深めたい。という方には参考になるかと。