怒鳴られたトラウマで、自信が一切持てないデザイナーの話

私はフリーランスデザイナーのぬえです@deepspaceout12


グラフィックデザイナーとして働き、約8年。私は、デザイナーとしての自信をなかなか持つことができません。

 

その大きな原因は、新入社員時代に一度怒鳴られた、たった一回の経験です。それが大きなトラウマとして、まるで呪いのように心の中に残り続けています。

 

あの時の体験、そして今振り返って思う事、そして「自信がないなりにデザイナーを続けられている理由」について、思いつくまま書き起こしていきます。

 

結論から断言しますが、「自信」なんて無理に付ける必要はないんです。私のようなメンタルが弱いデザイナーは、無理に「自信」なんて持とうとすると、精神崩壊します。今回はそんな話です。

 

ぬえ
こういう切り口の記事は難しいです。ネガティブに書けば、「こんな私をゆるしてほしい」みたいな贖罪じみた分内容になるし、逆にポップに書きすぎると「ふざけてる」ともなるし。なので、できるだけ淡々に、事実だけを書き記していきます。でないと私の心がすり減るので。

 

 

「弱い自分」がなによりも嫌いだった話

→自己紹介

本題に入る前に、私について。

私は現在まで、約8年程デザイン業界にいます。声高々に誇れる実績の数々があるわけではないけど、それなりにお仕事を経験してきました。土日祝日無しの勤務、家に仕事を持ち込み在宅ワーク、寝ても覚めてもデザインな生活を過ごした時期もあります。

それなのに、私は未だに「デザイナーとしての自信」を持つことができません。デザイン制作からクライアントに提出するまでの間、ずっと胃がキリキリ痛くて、寝る時に「喜ばれなかったらどうしよう」と、延々と考えてしまいます。

「プロがそんなこと言うな!」というご意見、重々承知です。こんなこと、クライアントの前では絶対に言えないし言ってもいないです。

 

→「当たり前」が出来ない日々

まず私は、30歳を過ぎても電話対応のひとつうまくできません。相手の声を理解しながら、メモができないんです。そのため、片方に集中すると、もう片方がおろそかになってしまいます。

新入社員の時、「会社に掛かってきた電話を全て取れ」と指示されたのが最後、まあひどい対応だったもので、上司にもクライアントにも大爆笑されました。今では笑い話ですが、当時は屈辱でくやしかったです。

 

事務作業も苦手でした。ゼロの桁一個間違えるのはもはや日常、簡単な誤字脱字のチェックもままならず、校正作業すらできない始末。デザイナーとして校正作業はとにかく重要ですよね。細かなミスも、入稿して出力してしまうと最後、二度と修正できません。

私のミスはとにかく酷かったので、当初は、私に校正人が2人付きチェックしてくれました。本当に手間のかかる人間だったと思います。

 

→大きな原因は、脳の機能障害(発達障害)だった

この頭・段取りの悪さは、私が持つ「発達障害」という特性からきているのは明白でした。だけど当時は、そんな障害の名前すら知らず、「私は世界一仕事ができない人間だ」とまで考え、自分を責め続けてました。

デザインが好きでこの業界に飛び込んだのが始め、心と精神がすり減る日々で、目の前の視界がぼやけていく日々のことを、覚えています。

基本的に何かにおびえているし、上司もクライアントも友人も、「私なんか使い物にならん」と思っているのではないかと考えてしまいます。これは、現在進行形です。

 

※デザイン業務と発達障害の関係については、過去の記事「グラフィックデザイナーの仕事がきついのは発達障害が原因かもしれない」にて、体験談を交えながら解説してます。

上司に初めて怒鳴られた経験から、私はデザイナーとしての自信を完全に無くした

ぬえ
ここまで自信を持てなくなった大きな理由があります。それは新入社員として勤めたデザイン事務所で起こりました。

私はとにかく、デザイン業務にかかる時間が長かったんです。今思えば、プライドが異常に高かったからだけだったのですが。

当時の私は、とにかく「ダサい」ものが嫌いで、「いいものを作りたい」という気持ちだけは一人前。それなのに、「いいもの」の定義を言語化することもできなければ、いいデザインをうまく作り出すこともできません。

で、本来必要ない相当の時間を「試行錯誤すること」に費やす始末。

 

それもそうです。なぜなら、デザインとは自己表現ではなくて問題解決だから。この時、私がやっていたのは「自己表現の追求」でした。

 

ぬえ
この真実については、また別の機会で知ることになります。今回の記事では詳しく話しません。※そのことについてまとめた過去の記事があります。

私はデザイナーに向いていない・辞めたいと考えるあなたへの解決策

2020.11.18

 

→高すぎるプライドから魂だけが突き落とされた

そんなある日、あまりの仕事の出来なさに、はじめて上司に怒鳴られたんです。「お前は大学で何を学んできたんだ!」と。そして「帰れ!」と続きました。

あまりの大声に、頭が真っ白になったことを覚えてます。上司が投げたカッターが、丁度地面に跳ね返り、本棚に突き刺さりました。

「お前は何を学んできたんだ」「帰れ」このような言葉が、自分の頭の中を延々と反すうしました。

 

人の言葉の影響力というのはすさまじいもので、「クヨクヨ悩んでも意味がない」と言葉では分かっても、頭の中ではうまく理解できません。「私はいったい何を学んできたのだろう?」「私はデザインの才能がないのかも」そうやって、何度も何度も自分で自分を傷つけていきます。

誰からも命令されてないのに、たった一回だけの出来事なのに、私自身も望んでないのに、あのシーンがずっと繰り返されます。

まるで呪いのような言葉が、心と体に刻み込まれました。

 

※先に説明しておきますが、私はあの時の上司を恨んでいません。独立した後、私に仕事をまわしてくれたりと、大変お世話になっていることもあり、今ではとても感謝しています。

 

自信がないデザイナーが、なぜデザインの仕事を続けられているか

月日が流れ、現在私はフリーランスのデザイナーとしてお仕事をするようになりました。

そこに至るまで、体を壊して2年程デザイン業界から逃避したり、「二度と来るな」と鞄を廊下に放り出されクビになったり、ミスの連発で信頼を地の底に落としたりと、たくさんの失敗を経験してきました。

そんな「自信がないデザイナー」がいかにしてこの業界を生き抜いてきたか。このことについて、ざっくりとまとめてみます。

 

「デザインが好き」だから

これが一番の理由かもしれません。「私はデザインが好きです」

前述したとおり、デザインとは問題解決のこと。かっこいいものを作ることではありません。私は、だれかが抱える問題を言語化してあげたり、ビジュアルに書き起こす作業が好きなんです。

複雑だった情報が簡略化され、分かりやすく整っていく過程に喜びを感じるし、それを喜んでくれるクライアントの存在が嬉しいです。

私はデザイナーとしての自信はありません。なぜなら、制作物に対して「喜んでくれるだろうか」といつも不安に感じるから。

だけど、こんな私に仕事をお願いしていただけるお客様がいる限りは、「デザイナーとしての誇り」だけは持とうと心に決めています。頼ってくれる人がたった一人でもいる事実は、私にとっては名誉です。

 

自信なんていらない。ただお客様へ尽くすだけ

そもそも「自信」なんて、無理にもつ必要はないと思うんです。なぜかというと、自信のないひとが無理に自信を付けようとする行為は、ただ辛いだけだから。

例えば、本屋などに行くと以下のようなタイトルが目につきませんか?

 

「自信を持つための方法〇選!」
「自信を持つためには~をするべきである!」

 

そういう言葉がならぶ書籍、ブログなどを見た時、私は絶望しました。どこもかしこも、「~するべき」という、ある意味強迫に近い言葉が、まるで鋭利な刃物のように私の自尊心を傷つけるからです。

 

もちろん、そんな書籍をたくさん読んだし、本に書いてあるアクションプランも試しました。だけどノウハウが蓄積するだけで、肝心の私の心は本質的には変わりません。

 

あなたもそうではないでしょうか。「自信を持てない人間」が、こういう言葉に影響されすぎると、自信を持てない自分は悪い人間だ、と必要以上に自身を責めてしまうので、よくありません。

 

そんな私も唯一、自信のなさを忘れられる瞬間があります。それは、提出したデザインが、お客様に喜ばれた時。多分これが「私とデザインを繋ぎとめる太い綱」だと思います。

 

そういう小さな瞬間を見逃さないべきです。私の話でいえば、お客様が喜んでくれる瞬間が嬉しいので、もっと誰かを喜ばせたく仕事に励みます。すると、そういう瞬間も増えていき、次第に自信のなさを忘れるようになっていくと思うんです。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。文章を書き終え、内心ホッとしています。

なぜかというと、「弱さをひけらかす」ことがカッコ悪いとずっと思っていたから。ましてや、私はデザイナーとしてのポートフォリオを、このサイトで公開しています。経歴や名前までも。過去にお世話になったクライアントも、検索すればこのサイトに行きつくことがあるでしょう。

そんなリスクがあるのに、なぜ名前と成果物を公表してまでこの話をしたか。理由はひとつ。

 

それは、弱い自分を本質的に受け入れようとおもったからです。

 

自分をさらけ出すのは怖いです。誰しもそう感じるはず。だけど、本質的に弱い心の持ち主が、強い心の持ち主を演じても、結果的に自分が苦しいだけです。そして、いつかボロが出ます。

 

これまでずーっと、「自信」は自然につくものだと思ってました。仕事をこなして実績を積んでいけば、気が付いたら自信に溢れて..そんな未来を思い描いてました。しかし現実は違います。その証拠に、いまだに自信なんて一切持てないから。

 

 

ぬえ
この記事を最後までよんでくれたあなたも、もしかしたら同じ悩みを持っているかもしれませんね。そんな方に向けて、最後の一言。

 

なにも、「すべての人に優れた人間だ」と思われなくていいんです。嫌われてもいい、怒鳴られたっていい。あなたに仕事をお願いしてくれる人が一人でもいるのなら、それは素晴らしいことだし、誇っていいと思います。少なくとも、私はそんなあなたの味方です。

 

※最近、お客様がこのサイトを見て仕事をキャンセルされたとしても、そういう縁だったと割り切る勇気が出てきました。ちょっと進歩したなと、思ってます。

私は、これからも「自信がないデザイナー」として生きていきます。そして、デザイナーとしての誇りを大切に、頼ってくれるお客様に尽くしていきます。一緒に頑張りましょう。

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