このページではこのような疑問に答えていきます。
→自己紹介
私はフリーランスデザイナーのぬえです(@deepspaceout12)
目次
【本題前に】デザイン恐怖症とは何か
①「デザインすることが怖いと感じる」
②「自分はデザイナーに向いていないと感じる」
③「自分が作ったデザインがひとつも良いと思えない」
④「提出したデザインに修正依頼がくるとかなりへこむ」
【余談】実際にこの言葉が使われたポピュラーなシーンをいえば、「デザインの現場」という雑誌にコラムの形で連載していた、クリエイターの箭内道彦さんによる「箭内道彦のデザイン恐怖症」だと思われます。
さて、このデザイン恐怖症ですが、実際の病気として扱われていないのが厄介です。放っておくと、自分でも知らない内に心と体が疲弊し、最悪の場合2次障害に発展することもあるかもしれません。
その焦りと恐怖には大いに理解を示せますし、私が通ってきた道なので、私なりの対処法を今回はお話しようと思います。
心の問題の解決にはマインドセットがかなり重要です。少し考え方をひねるだけで、いままで辛かったことが楽になった経験はありませんか?それと同じように、もしかすると何か新しい視点を加えてあげるだけで、デザイン恐怖症がスッと楽になるかもしれないんです。
【考え方①】「デザインするのが怖い」とこまできてるなら一度逃げたほうがいい(断言)
「逃げる」と以下3つのメリットがあります。
【メリット①】心身の健康をキープすることができる
当たり前のことですが、人間にとって「食べる・寝る」という行為はきわめて重要です。なぜなら、そういった人間の基本的な行いは、健康な体はもちろん、健康な心も形作っていくからです。
特に「デザイン恐怖症」になっている時は、自身の健康をおざなりにしがちです。すると、体と心に負荷をかけて頑張りすぎようとしてしまうんです。
そうなると、なかなか冷静な判断が難しくなってしまいます。何をするにしても、まずは心と体の健康が第一なのです。
【メリット②】「うまくデザインしなきゃ病」から開放される
仕事もプライベートの時も「デザインのことを考えてしまう」こと自体は、前向きで素晴らしいことです。
周囲から「成長が止まった」と思われたくないばかりに、自身を追い込みすぎてませんか?常日頃から「デザイン」について考えないと恐怖を感じてしまったりしませんか?
逆に聞きます。「あなたが過度な生産と消費を続けながら成長しなければいけない理由はなんでしょうか?」
生産・消費に疲弊しながら成長し続けること自体は、否定しません。ですが、成長することを「前提としてしまう」価値観からは、解放されてもいいのではないか。と言いたいのです。
だって考えてみてください。デザインするのが楽しければ、多少の苦痛も我慢できそうですが、「デザインするのが怖い」という苦痛を味わっている人が、さらに自身に苦痛を与えながらスキルを磨き続けるって、よほどの精神力がないと無理です。
【メリット③】多角的に自分を観察できる
苦しい時って、なかなか自分を客観視することができません。そして、冷静な判断も難しかったりしますよね。
【体験談】私はデザインが辛すぎて逃げた。
→当時の状況としてはこんな感じでした。
デザインが好きでデザイナーとして就職した私は、言語化できない感覚的な領域を大事にしていた。そのため、デザイントレンドにとても敏感。とにかく「ダサい」ものが嫌いので、「いいものを作りたい」という気持ちが人一倍強かった。しかし、その「いいもの」の定義は言語化することが苦手。ビジュアル優先のデザインを好み、日々良いデザインを吸収することを意識していた。
しかし、毎日夜中まで残業&土日関係なく出勤という過酷な労働環境に、次第に体を壊していく。周りのデザイナーのスキルが高すぎて、自分だけが成長していないのではないかと日々思い悩み、焦燥感が強くなっていくことに。
私はその後2年間、まったく違う業種で働いていたのですが、その時に感じたことがあります。
【考え方②】デザイナーは作家ではなく職人であることを知るべき
デザイナーという職に対して「華やかな職場・華やかな仕事」というイメージを持っていたけど、実際はすごく地味で辛い」これは理想と現実のギャップから起こる現象です。
このギャップが大きくなりすぎると、デザインに対してネガティブな印象が強くなります。
であるならば、そのギャップをどうにか埋めていくと、デザインに対する恐怖心も収まるかもしれません。
【考え方③】「かっこいいデザイン」だけが世の中で目立っていることを知るべき
それもそのはず。なぜなら、インターネットには採用されないデザインは目立たないからです。そしてかっこいい、スタイリッシュなデザインばかり目立つものですが、それは全体のデザインの僅か数%程度です。
その証拠に、どこか出かけたときに周りを見渡すと分かります。
私は当時、仕事に取り掛かるとき、「いかにかっこよくデザインするか」を求めてました。そして、かっこいいデザインが載った参考書ばかりを漁ってました。
でも違うんです。「デザインとは情報整理」なんです。お客さんのニーズの中でベストを目指すのが目的であり、いかにカッコよくデザインするかは本来のデザインからかけ離れた行為です。
【終わりに】「石の上にも3年」という言葉はもう古い
体が資本という言葉があるように、心身の健康をキープしない限り、良いデザインはできません。これはどんな仕事においても、基本中の基本です。
果たしてそうでしょうか?デザイナーを目指してこの職に就いたのはいいけど、今は「デザインが辛い」と感じるまでになっている。このまま続けて、体と心は持つでしょうか?
あなたにとって大事なのは、あなた自身です。もし本当にデザインすることが辛いなら、一度逃げてもいいんです。